『止まらないネットワークを構築したい』 2019年夏に開設したヤマハLAN構築相談窓口では、日々、皆さまからのLAN構築に関するお悩み相談を受け付けております。構築する場所によって異なるLAN構築。皆さまからのお悩みもさまざまです。 本日は、ある企業のネットワーク構築担当・A様が、ヤマハLAN構築窓口を活用しながら、お悩みを解決したケースをご紹介します(※この物語は実際にあったご相談に基づくフィクションです)。 A様より: 今まではルーターを2台使用してWAN回線の冗長化をおこなっていた為、WAN障害には対応できていましたが、今回、LAN側機器で障害が発生しネットワークが止まってしまいました。それにより作業が中断し、納期が遅れ損害が生じてしまいました。そこで、下記4つの問題点を解決することで、LAN側機器に障害が生じてもネットワークが止まらないようにしたいと考えました。 問題点: 1.コアスイッチの故障でネットワークが止まってしまう。 2.フロアスイッチやLANケーブルの破損で複数の部署に影響が及ぶ。 3.ループが発生してネットワーク全体が止まったことがあった。 4.問題が起きている機器がわからず、障害調査に時間がかかっている。 考えあぐねていたところ、ヤマハのLAN構築相談窓口の存在を知り、問合せをしました。そこで得た情報を活用しながら、各問題点の対策を導くことができました。 対策: 1.コアスイッチにてスタック、フロアスイッチとリンクアグリゲーション スタック機能を使用することで2台のスイッチを仮想的な1台のスイッチとして見せ、冗長性を確保しつつ、1台障害時にネットワークを落とさず通信を継続する事が可能です。 2.フロアスイッチをSTPで冗長化 フロアスイッチをスパニングツリーで構成することで、LANケーブル破損などリンク障害が発生した場合でも障害を検出し、ツリーを再構成する事で回復させることが可能です。 3.各スイッチでループ検知機能 ヤマハスイッチは独自のループ検出フレームを送信し、そのフレームが自身に戻ってくるかどうかを監視する事でループが発生しているかを検知できます。 設定により、検出ポートをシャットダウンしたり、通信をブロックする事が可能です。 4.LANの見える化、障害発生時にメール通知 LANマップ機能を使用することでネットワークに接続されているヤマハのスイッチや無線APの端末情報を表示し、ネットワーク全体が可視化できます。 それによりネットワークの異常を検知し、トラブル発生時の原因究明に活用できます。 また、異常検知時にメールが送信されるので、管理者はそのメールによりいち早くネットワークの異常発生を知ることができます。 結果: 以上の対策を実現するための下記構成図を作成しました。 用意した機材は下記のとおりです。 ・コアスイッチ :SWX3200-28GT 2台 ・フロアスイッチ:SWX2300-8G 8台 ・エッジスイッチ:SWX2100-8G 48台 LAN構築の結果、快適で安定的なネットワーク運用ができるようになり、ほっとしています。 今回は、下記のサイトで技術情報を得ることもでき、とても参考になりました。 ■ スタック ■ スパニングツリー ■ループ検出機能 ・ SWX2300ループ検出 ・ SWX2100ループ検出 ■ LANマップ ■メール通知機能 ■ルーターでVRRP